今年も、“くみ・たみ”さんのすばらしい歌声を聞かせていただきました。
 今回は、全員合唱で「インターナショナル」を歌いました。ゆうせい非正規労働センターの新たな旅立ちの歌声です。

 今回は大阪豊中の仲間の寸劇はお休み。
 東京の仲間7人が、スキル評価について楽しく、かつ、きびしく問題点を指摘。
 本当にスキル評価は管理者の恣意的判断が多すぎ、制度の是正が必要です。

 「懇親交流会」で、わいわい、にぎやかに、楽しく、交流を深め、また、各団体等からの激励・連帯のあいさつも行われました。

               郵政“非正規レジスタンス”宣言

 100年に一度といわれる金融危機の最中、私たちは、第5回ゆうメイト全国交流会を開催した。かつて、政府は、“金融立国”を呼号し、“郵政民営化”をテコに「貯蓄から投資へ」国民を誘導せんとし、財界は、“企業が栄えれば、やがて富のおこぼれに庶民もあずかる”と新自由主義を合理化した。しかし、どうだろうか。雇用をはじめあらゆる分野で規制緩和が進み、結果、今や非正規雇用労働者は1890万人をこえ全雇用者の35,5%に達し、年収200万円以下で働く労働者は2年連続で1000万人を突破している。若者や女性を中心に貧困が固定化し、結婚できない労働者も増えている。年間自殺者も10年連続で30000人を超え、過労死も減るどころが増える一方である。
 新自由主義のおこぼれは、確実に預かれず、富は一部に集中し、貧困と格差だけが与えられたのだ。
 いや、現実は、それどころではない。おこぼれどころか“トバッチリ”だけがきている。大手製造業では、金融危機のあおりを受け、早速、雇用調整をはじめ、派遣労働者の解雇を始めている。人員削減と賃金引き下げが春には広がるとの予測が流れる一方、物価はつりあがり、消費税増税が公言されている。
 この国の経済も社会もいま基軸を失い、迷路に迷い込んでいる。公正な分配を実現し労働の尊厳を取り戻し、人間の労働を中心として社会を立て直すときがきている。
 南米エクアドルでは、新自由主義によって全労働者の75%が非正規雇用とされた。しかし、そのエクアドルで国民の圧倒的多数の賛成で新憲法が制定され、原則正規雇用とする国づくりが始まっている。われわれも原則正規雇用とパートタイマーと正社員との均等待遇要求を誰に何の遠慮することなく高々と掲げ要求しようではないか。
 1890万人の非正規雇用労働者の中に郵政非正規雇用労働者がいる。われわれの運命は日本の全非正規雇用労働者の運命でもある。しかし、「民営化」を契機に、経営側のアメとムチの管理が強まり、労働条件は厳しくなり分断と競争が強まっている。そこに最大労組が経営とともに囲い込みを始めている。だが、その一方でいかに競争をあおり、囲い込みをせんとしても頻発する理不尽な雇い止め解雇に対して、また、非人間的な扱いに対して、“私たちはモノではない人間だ”と全国各地で声があがっている。その声は、弱まるどころか、確実に広がりはじめている。
 新たに発足するNPO法人“ゆうせい非正規労働センター”は、郵政だけではなく関連企業で働くすべての非正規の仲間に開かれたセンターとして出発する。相談したくてもできずに苦しむ多くの仲間たち、理不尽な対応に怒り、現状を変えようと必至で頑張る仲間らの“より所”として歩むことを宣言する。われわれは、労働組合の違いを乗り越え、非正規労働者の権利が前進するために協力と共同をひろげ前進するだろう。
 “非正規レジスタンス”万歳!
 “全国の郵政非正規雇用労働者、団結せよ”
        2008年11月2日    第5回ゆうメイト全国交流会参加者一同

              (印刷用PDFファイルはこちらへ)

 岡山支店期間雇用社員・萩原さんは、08年4月1日からの雇用継続をしないと通告されました。いわゆる「雇止め」です。
 しかし、その雇止め理由は「交通事故」を理由とし、まさに「解雇」というべき内容となっています。
 接触事故等の交通事故で正社員が「解雇」となった事例はありませんし、社会通念上から見ても極めて不当な「処分」ともいえます。
 萩原さんは「雇止め=解雇」撤回に向け裁判闘争を決意され、岡山支店の仲間も「萩原君を支える会」を結成し、裁判闘争の支援に立ち上がっています。
 ゆうせい非正規労働センターもこのような不当な解雇は断じて許されないと共にたたかっています。
 裁判経過等については、こちらをご覧下さい。

 郵便局で深夜勤のゆうメイトとして働き、その仕事中に怪我をして公務災害の認定も得ていたNさんに対し、当局は、怪我も完治していないのに、退職を強要し、公務災害の後遺障害認定を受けることもさせず、その結果補償も打ち切られ、Nさんは退職させられることになりました。
 その後Nさんは、他の民間会社に移られ仕事をされていましたが、郵便局での怪我による後遺症に苦しみ、仕事を続けていくのにも困る状況が続く中で、地域の労働組合と相談され、その組合を通じ、被災した郵便局に対し、後遺症認定を早期に行うよう求めて闘い、怪我をしてから7年後に後遺障害認定を勝ち取られました。
 後遺障害認定を勝ち取ったとはいえ、事故当時、当局が十分な処置を執ってこなかったゆえに、現在もなお右手が自由に使えないハンディを背負うことになっており、このような状態をもたらしたのは、当局の「安全配慮義務違反」が背景にあることは明らかです。
 なおかつ、事故後十分な対応を全くとらず、後遺障害認定すら放置し、退職に追い込んだ当局の責任追求と、身体の障害により不自由な生活を今後も続けざるを得ない状況となったこと、及び自らも傷害を負いながら父親の介護も続けなければならない等の精神的被害も大きいとして、当局の責任を厳しく問いただすことも含め、慰謝料請求裁判を闘い抜くことを決意され、横浜地方裁判所に提訴され、闘い続けられています。
(訴状等、詳しくはこちらをご覧下さい)

 関東・東京・東海・近畿・中国・九州の期間雇用社員25人によるリレートーク。
 雇止めとの闘い報告、スキル評価・年休取得ができない・勤務時間削減等々、職場の問題点が報告されました。

 記念講演として、都留文科大学の後藤道夫さんより「格差社会をどうつくりかえるか」と題して、講演をしていただきました。
 講演内容は、「貧困世帯数・勤労貧困世帯数の推移」などの多くの図表を示されながら、現在の「ワーキングプア」(この言葉を最初にカタカナとして提起されたのは後藤教授だそうです)の現状を具体的に提起され、そのようなワーキングプアが拡大してきた背景を明らかにされながら、労働者を「モノ」として扱う企業(資本家)の問題点の指摘、そして、今後の重要な課題として、「労使の力のバランスの回復」が重要であり「強い労働組合運動」が求められていると提起されました。

※現在の格差社会の現状、その背景と問題点、そして今後の闘い方について、具体的に提起された文字通り「ためになる」講演をしていただきました。
 講演をまとめた「報告」の作成を準備しており、完成しだいホームページで案内させていただきます。

《講演内容一部抜粋》
☆労働力とモノは、同じ商品でもどこが違わなければいけないのか。

@ 社会的に通用する水準の生活が保障されなければならない。一定以上の賃
  金水準
  → 好き放題に分割されてはならない。米は10キロでも1キロでも買ってよ
   いが、労働力は、雇う側の都合で分割してはいけないはず。労働力はフ
   ルタイム・正規で雇われる権利を持つべき。
A 労働力商品を使う際に、労働力の持ち主を傷つけてはならない。安全配慮
 義務
B 労働力商品を売れない状態の人々(失業者、子ども、高齢者、傷病者、障
 害者、家族ケアで働けない人など)の生活が、何らかの方法で保障されなく
 てはならない。

演題 「格差社会をどうつくりかえるか」

講師 後藤 道夫さん(ごとう・みちお)

都留文科大学教授 専門は、社会哲学、現在社会論
「格差社会とたたかう」(青木書店、2007年)
「なぜ富と貧困は広がるのか」(旬報社、2008年)

 事務局の稲岡より、9月7日に結成総会を行った、ゆうせい非正規労働センターの設立に至る経過と現在内閣府にNPO法人認証を申請中であり、認証及び登記完了でNPO法人となる。登記が完了するまでの間、任意団体としての「ゆうせい非正規労働センター」として活動を進めていくことを報告。
 そして、NPO設立の意義を、ゆうメイト全国交流会として4年間、ゆうメイトの交流を軸に進めてきた活動による全国の仲間の横のつながりを財産にし、郵政民営・分社化という大きな状況の変化も踏まえつつ、郵政グループ20万期間雇用社員を中心に、郵政関連企業の非正規雇用労働者、委託・請負・派遣の労働者に開かれた運動体として活動を進める。
 活動の基調は、組織、未組織あるいは所属労組の壁を越え、共に労働条件改善、均等待遇の実現に向け、学習・交流を深めつつ、運動を進めていくことにあると提起しました。
 また、このNPO法人は、皆さんに会員となっていただき、皆さんの会費で運営されていく。是非多くの正社員・期間雇用社員、関連企業・請負・派遣等の労働者のみなさん、さらには、この会の趣旨に賛同して下さる多くの団体・個人の皆さんの会員加入をお願いする、との要請を行いました。

会員加入のお願い及び加入方法は、こちらをご覧下さい

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