2007年5月10日、社民党党首福島みずほ事務所の紹介により、参議院議員会館第5会議室において、「郵政公社民営分社化に伴うゆうメイトの雇用・労働条件に関する意見交換会」をゆうメイト全国交流会主催で開催しました。
 意見交換会でのサポートとして、郵政労働者ユニオンの棣棠副委員長、松岡書記長、郵政産業労働組合から日巻書記次長を含め、両組合の本部役員も参加していただき、郵政公社・郵政株式会社の担当者9人の出席のもと、民営分社化に伴うゆうメイトの雇用・労働条件についての意見交換を行いました。
 ゆうメイトも、首都圏、東海、近畿、中国から代表が参加し、全体的には23人が意見交換会に参加しました。

 この「意見交換会」は、今回で3回目を迎え、全国から代表として参加したゆうメイトを中心に、ゆうメイトが置かれている厳しい職場実態や生活状況を郵政公社・郵政会社に直接訴える貴重な意見交換会として行われ、今回は、本年10月からの民営分社化を目前に控え、民営化後の雇用と労働条件を中心に意見交換を行いました。

 意見交換会は、まずゆうメイト全国交流会として先に提出していた新会社移行に関する雇用条件等の「公開質問状」、さらに、公開質問状提出後に郵政会社から提示された新会社での非正規社員の雇用・労働条件の概要を踏まえ、追加した質問項目に対する公社・郵政会社からの回答が行われ、その回答に対する質疑という形で行いました。
 1時間という短い時間であり、充分な議論を尽くせたとは言えませんが、非正規雇用労働者の正規化が大きな社会の流れとなっている現実を踏まえ、キャリアスタッフのみを正規社員に登用するとなっているのは、ほとんどのゆうメイトが正規社員に登用されないこととなり、一部改正が行われようとしているパートタイマー労働法の趣旨からも問題がある、新会社はキャリアスタッフに限った正規社員への登用制度を見直すべきであると、強く登用制度の問題点を指摘しました。
 また、現在のゆうメイトが職場でけっして「ノンコア業務」や「サポート要員」ではなく、本務者と同じように事業の根幹を担って仕事をしている実態を踏まえた回答となっていない、そういった意味で現場実態からかけ離れた条件提示であるとの基本的問題点を指摘し、「非正規社員区分」などの制度設計において、ゆうメイトが「コア業務」を担っている職場実態を踏まえた制度設計の見直し等が必要とされているのではないかなど、基本的な問題点について、現場でゆうメイトとして働いている実態を踏まえた要望等を公社・郵政会社に申し入れました。

 最後にまとめとして、サポートとして参加していただいた郵政ユニオン松岡書記長から、非正規社員の正規化という法制度も一定確立されてきている中で、コンプライアンスとでも言うべき非正規社員の正規化について郵政会社も真剣に受け止め、非正規社員区分の区分の見直しを行うよう強く求めています。

 なお、新会社へのゆうメイトの雇用継続については、現在の業務は正規社員だけでできないことは明らかで、ゆうメイトの協力が必要であり、継続と言うことではないが、基本的に引き続いて採用する方針であるとしています。

 以下、意見交換会当日、郵政公社及び郵政会社からゆうメイト全国交流会が提出しました「公開質問状」及び追加質問に対する口頭回答を掲載します。


 意見交換会において、参議員福島みずほ事務所をとおして事前に提出していました質問項目(「公開質問状」及び追加質問)について、郵政公社及び郵政会社より口頭回答が行われました。
 回答については、時間の関係もあり上記の基本的問題点での意見交換にとどまり、回答内容に対する個別具体的な問題点の指摘などはできませんでした。
 回答は、郵政会社が提示している雇用条件等と異なる回答となっている項目や、職場実態とかけはなれた回答となっているなど、多くの問題を含んでいますが、今後ゆうメイト全国交流会としても具体的問題を指摘しながら雇用と労働条件の改善により一層交流を深めながら取り組んでいきたいと考えています。
 また、意見交換会にサポートとして参加していただいた郵政労働者ユニオン、郵政産業労働組合に対し、この郵政の回答を踏まえ、組合としての立場から交渉等でゆうメイトの雇用と労働条件の改善に全力を挙げ取り組んでいただくようお願いしています。

上記「郵政回答」の印刷用PDFファイルはここをクリックください。


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1、新たな社員区分に関して


(1)現行のゆうメイトを「アルバイト」「パートタイマー」「契約社員」の三つにわけることが示
   されています。以下、「パートタイマー」と「契約社員」区分と労働条件についてご質問しま
   す。

@「パートタイマー」から「契約社員」へなれる方法があればお示し下さい。
  回答→契約時間(勤務時間)の違いが基本であり、勤務時間が変更になれば契約社員が該当するこ
     とになる。


A7時間ゆうメイトは、「パートタイマー」「契約社員」区分のどちらにも該当していますが、何に
 もとづいて判断されるのかお示し下さい。また、当該ゆうメイトの希望が、「契約社員」であって
 も、「パートタイマー」とされた場合の「苦情申告」はできるのかどうかご説明下さい。
  回答→7時間以上が契約社員、7時間未満がパートタイマー。
     あくまでも勤務時間の設定であり、苦情申告にはなじまない。


B「パートタイマー」と「契約社員」の処遇上の違いについて、「賞与」以外他にあればお示し下さ
 い。
  回答→原則として現行ゆうメイトと同様。

C退職金が支給されない理由をお示し下さい。
  回答→民間企業でも長期勤続への報労との趣旨、契約社員に支給することはほとんどない。
     民間での短期雇用で退職金が支給されているのは1割程度でもあり、新会社でも原則的に
     は対象外。
     ただし、現行の退職基を考慮し、賞与の中で、現在退職金支給対象となっている条件のゆ
     うメイト(1日8時間雇用、月18日以上、6ヶ月継続)の方について、現在の0.3月
     分について一定の割り増しなどの配慮をする予定。


D「契約社員」は、現行制度では一部支給されており、なぜ退職金制度を無くすのかその理由を示し
 て下さい。
  回答→Cと同じ。

E雇用期間満了は、「退職扱い」とされるようですが、「契約更新」があれば「退職扱い」とならず
 なぜ、「退職」とされるのかその理由をお聞かせ下さい。
  回答→あくまでも継続の場合は、継続採用との扱いとする。

(2)「キャリアスタッフ」について

@「契約社員」からのみの登用とされている理由をお示し下さい。
  回答→非正規社員区分は勤務時間を基本に区分している。本務者と会社の契約の中で勤務時間の
     延長でキャリアスタッフへの登用もあり得る。


A「退職金」が支給される理由をお示し下さい。
  回答→現在、一定の基準があれば退職金を支給されており、キャリアスタッフについては慰労金
     として支給する。


B現行の対象者は、「7〜8時間」ではなく、一日平均7時間以上となっています。対象範囲を明確
 にお示し下さい。
  回答→現行の7時間以上と変わらないという考え方である。

(3)郵政短時間職員について

@「郵政短時間職員」が「非正規社員」区分に該当する理由をお聞かせ下さい。
  回答→非正規と正規の区分として、契約期間の定めがあるかないかで区分した場合、郵政短時間
     職員は非正規社員となる。


A「公募採用」が実際には行われていない中で、新会社での「公募採用」について見通しをお聞かせ
 下さい。
  回答→新会社での応募は行わないことにしている。
     現在制度そのものの見直しを検討しており、その中で、応募はしないと言うことである。


2.正規社員への転換制度について

(1)今回の提案では、正規社員への転換は、「キャリアスタッフ」からのみとした理由を明らかに
  されたい。
  回答→キャリアスタッフ中で優秀な方を正規社員に登用すると言うことであるが、契約社員の中
     でも優秀な方はキャリアスタッフに登用し、そして正規社員になることもあり得る。段階
     を追って正規社員に登用すると言うことである。
     また、パートタイマーの方の中でも会社との契約で勤務時間が変更され契約社員となり、
     その中からキャリアスタッフ、そして正規社員になるということもあり得る。

  
(2)「キャリアスタッフ」は、「契約社員」からのみ登用となっており、事実上大半のゆうメイト
  を正規社員への転換の道がありません。「キャリアスタッフ」以外で「契約社員」「パートタイ
  マー」からの登用の道はないのかご説明下さい。
  回答→(1)の回答と同様。段階をおって正規社員の登用もあり得る。

3.その他(追加質問)

1、非正規社員について「ノンコア業務」となっているが、「ノンコア業務」とは何か。
  回答→一般的な概念として正規社員としてしかできない仕事がコア。正社員でなくてもできる仕
     事がノンコア業務となる。正規社員も当然ノンコア業務も担当している。


2、ゆうメイトが現在担っている業務を引き続いて仕事をしていくことになると考えられるが、もし
 非正規社員の業務を「ノンコア業務」と位置づけることになれば、正規社員の業務もまた「ノンコ
 ア業務」となると考えられるが、その相違は何か。
  回答→ゆうメイトに対する指導や業務指導など正規社員しかできない業務もある。

3、現在もゆうメイトは常勤職員と同じ内容の仕事をしているが、そのことについて、どうのように
 評価しているのか。
  回答→郵便事業の場合、郵便区分、配達などはコア業務であり、そういった意味ではゆうメイト
     もコア業務を行っている。しかし、正規社員しかできない業務もある。
     ノンコア業務という言葉は一つの理念として提示しており、厳密な規定で使っている言葉
     ではない。


4、キャリアスタッフについて、現在、郵便関係1,400人(普通局内務700人、普通局外務7
 00人)、無集配特定局268人、普通局貯金内務13人、貯金JC13人、普通局保険内務13
 人、簡保JC10人、合計1,717人となっているが、新会社では何名のキャリアスタッフを予
 定しているのか
  回答→計画的に何人を採用するということにはなっていない。個人の能力の評価で、何人という
     枠を設けて採用するということではない。


5、キャリアスタッフの選考基準は何か。
  回答→検討中です。

6、キャリアスタッフから正社員への登用について、その基準と選考人数は何人か。
  回答→検討中です。

7、契約社員(一般)からキャリアスタッフへの選考基準は何か。
  回答→検討中です。

8、試用期間を設けた理由及び根拠は何か。
  回答→一定の期間の中できっちり仕事をしていただけるかどうかの判断をしていきたい。

9、非正規社員について、「期間の定めのある雇用」のみとし、「期間の定めのない雇用」をしない
 のはなぜか。
  回答→定義上の問題期間の定めのある社員が非正規社員としている。

10、「兼業」について、制限を設けるとなっているが、なぜ制限を設けるのか、また、制限の内容は
 何か(低賃金で「兼業」の必要性は高い)。
  回答→国家公務員は守秘義務などが定められている。民営化では法令上ではなくなる。守秘義務
     違反などの信用失墜行為などへの対処を含め、どのような業種で働いているのかを知って
     おく必要があり、例えば、競業企業などとの兼業については一定の制限も必要ではないか
     と考えている。


11、賃金体系についてはほぼ現状通りとの提示となっている。現在のゆうメイト賃金は単純に平均を
 比較すれば、正規職員の3分の1以下となっているが、この現状についての会社としての見解。
  回答→賃金は現行通り、スキルレベルで判断。勤務形態で賃金は異なり単純に比較できない。ス
     キルが高いゆうメイトは新規社員の初任給を上回っている方もいる。必ずしも低くはない
     。最近も一部見直しを行っており今後も見直しを行っていきたい。新会社移行時は、ほぼ
     現行通りを考えているが、月額性の非正規社員も検討している。


12、新会社への希望等について

@現在の長期ゆうメイトをキャリアスタッフ、契約社員、パートタイマーと区分して新会社に採用さ
 れることになるが、その各区分の基準は何か。
  回答→勤務時間を基本に設定している。

A現在働いている職場、職種以外への希望は可能か。
B区分を指定した希望は可能か。
  回答→ABとも、基本的には、新会社への採用は今の勤務条件を引き継ぐこととしており、違う
     職種等への希望は新しい雇用の申し入れととらえる。


C区分及び職種変更等の希望がかなえられない場合、採用しないことになるのか、あるいは、希望は
 かなえられないが現状の職種や会社が指定する区分への採用は可能か。
  回答→他の希望について、採用しないと言うことではなく、あくまでも新規の採用申し入れとな
     り、会社に必要性があれば採用することになる。


                                          以 上

                       (まとめ・文責 ゆうメイト全国交流会事務局)

※郵政会社の非正規社員区分の基本的考え方は、あくまでも勤務時間によって区分されるという考え方でです(新会社移行時点において)。それ故、パートタイマーにおいても勤務時間の延長を希望し、局で勤務時間を延長する必要性があればパートタイマーから契約社員への転換もあり得るとしています。
 しかし、勤務時間は当局が一方的に決定しており、実体的にも勤務時間の削減は多くの局で行われていますが、その延長は全くないと言える状況です。
 勤務時間が非正規社員区分の基本となることから見て、今後、ゆうメイトの勤務時間延長希望を実現させることが重要な課題となります。